トランプはなぜ勝利したのか?③
覇権国家アメリカの本当の国益とは!そして本音!
倉山満によるアメリカ大統領『トランはなぜ台頭したのか 覇権国家アメリカの本当の国益とは!』 トランプが大統領にまでなりあがったアメリカの現状!そして日本は…シリーズ③
オバマのゴルフにしか興味を持たない政策はある意味正しい!!
イスラエルなどから見たら単なる嫌がらせ以外のなんでもない9・11テロに対しても、アメリカ人は発狂せんばかりの動揺っぷりです。
その後、アフガンやイラクにありったけのミサイルをぶち込んで占領してみたはいいけれど、頻発するテロに音をあげています。
オバマは結局、シリアへは介入しませんでした。
中東とアフガンは引き上げたくとも、引き上げるとまた揉めますし、泥沼です。
イラク戦争が終わらないうちに中東全体に動乱が広がり、しかも、イギリスとフランスがカダフィをぶっ潰してしまいました。
アメリカとしては、どうしてくれるんだというところでしたが、そこで、なんとオバマが素晴らしい対外政策を取りました。ゴルフにしか興味を持たないという政策です(笑)。
オバマとしたら、ヨーロッパの起こした中東紛争に巻き込まれないための栄光ある孤立で、ある種正しいと思います。
シリアで戦争なんかヘタレのオバマにやられたらたまったものではありませんし、アメリカ人の感情はどうあれ、戦争をやってもブッシュ以上の泥沼になるのが目に見えていますから、よりマシな選択とは言えるのです。
ロシアのウクライナやその前のグルジアへの侵攻にしても、アイゼンハワーのときですら東欧はソ連の勢力圏と認めていたくらいです。
一応、NATOというアメリカが介入する枠組みはあるものの、何もしていません。
グルジアでCIAあたりが何をやろうと、はっきり言って、アメリカは「ヨーロッパに引きずり込まれているだけだ」という感覚です。
冷戦期の緊張感は全くありません。
カネがないという当然の理由で、クリントンどころか初代ブッシュのころから、もう軍縮を始めていますし、ロシアを嫌う東欧諸国がNATOやEUに流れこんできていることはアメリカにとって手に余るわけです。
また、バルカンに対しても90年代に懲りまくっているので、「もうご勘弁。ヨーロッパさん勝手にやってください」という態度です。